ヘルメスの7原則


1 典拠
 ヘルメスの7原理(The Seven Hermetic Principles)は、直接には、1908年又は1912年に、シカゴにおいて、Three Initiatesという著者名で発表された英語の書籍"The Kybalion:A Study of The Hermetic Philosophy of Ancient Egypt and Greece"に由来します。神秘主義、秘教主義に関する原則を7つにまとめる試みは、Kybalion以外にもありますが、黄金の夜明け系列諸派では、Kybalionが最も知られているのでこれによりました。
 Kybalionについては、英文が複数のサイトより無料で入手できますし、紙媒体も複数の出版社から入手できます。また、邦訳も、林陽氏によるものが翻訳が発表されています(ウィリアム・W[alker]・アトキンソン著 林陽訳『引き寄せの奥義 キバリオン:人生を支配する七つのマスターキー』、徳間書店、2008年)。
 なお、最近の研究では、1885年にロンドンで発表されたAnnna KingsfordとEdward Maitlandによる"The Virgin of the World of Hermes Mercurius Trismagistus”にその由来を求めるべきとの見解があります。こちらもインターネット上でダウンロードできるので、興味のある方は、タイトルで検索をかけて下さい。また、以前よりKybalionの内容がそれ以前に書かれたアトキンソンの本に見いだされるとの指摘もありました。

2 内容
 下の和文は便宜のためにつけた仮訳です。意図しない誤読を避けるため、原語を参考にしてください。
 もっとも単純な翻訳は、言語Aの単語αを言語Bの単語βと対応させるものですが、言葉は歴史とともにその内容を変化させるので、その歴史を異にするαとβの外延は一致しません。それにより、翻訳は、本質的に、原文の一部(βに含まれないα)の内容を切り取り、原文に一部(αに含まれないβ)の内容を付け足してしまうものではないかと思います。
 例えば、ここではジェンダーの原則を陰陽の原則と仮訳しました。しかし、陰陽という言葉には、対立・和合という内意が含まれる可能性があります。つまり、ジェンダーの原則を陰陽の原則として訳した場合、この原則のみで、対立・調和の原則を内包している、そのように解せる可能性がある、ということです。理解する際には、翻訳の問題があることを忘れないでください。

 また、元の原則自体も、ある原則が他の原則と重なり合うことがあります。それぞれの原則は、各自独立して存在するのではありません。相互は互いに関係しあっています。例えば、リズムの原則とバイブレーションの原則がありますが、振動はリズムを刻まないのでしょうか。
 あるいは、振動があるということは、少なくともある点からある点への何らかの移動がある、すなわちポラリティーがあるということです。
 そして、東洋人の視点からは、ジェンダーとポラリティはともに陰陽の問題であり、あえて区別する必要はないと感じるかもしれません。

 これらの原則は、あくまでも学びやすいように仮に立てられたもの、理解の道具、そのように考えるとよいでしょう。

  1. The Principle of Mentalism(唯心の原則)
  2. The Principle of Correspondence(照応の原則)
  3. The Principle of Vibration(振動の原則)
  4. The Principle of Polarity(対立の原則)
  5. The Principle of Rhythm(調和の原則)
  6. The Principle of Cause and Effect(縁起の法則)
  7. The Principle of Gender(陰陽の原則)

 詳細については、Kybalionの原文又は翻訳が入手可能ですので、そちらに譲ることにします。各自テキストを参照して下さい。


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作成者: TRK
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