Paul Foster Case(October 3, 1884 - March 2, 1954)の略歴
本稿では、ポール・フォスター・ケース(1884-1954)の略歴をまとめた。便利に使っていただきたい。
BOTAはGD系列の秘教団体としては最大規模を誇っている(なお、一般的扱いは、OTOと同様に、日本でいうところの「キリスト教系新新興宗教」である。)。しかし、統制がよく聞いているためか、意外とその教義や歴史に関する情報は少ない。一定の分量をもつものは、BOTAより独立したPaul Clarkらのグループらの登場を待つ必要があった。
本稿作成に当たっては、以下の資料を参照した。乏しい資料により作成したため、誤りが混入している可能性がある。誤りに気付かれた方は、JAGD宛にご一報ください。
- John Michael Greerの"The Element Encyclopedia of Secret Societies and Hidden History"(Harper Element 、2006)
- BOTAの分枝であるFraternity of the Hidden Lightの創始者Paul Clarkの
- "Biography of Paul Foster Case"(Occult Fundamentals and Spiritual Unfoldment Volume 1 : The Early Writings(2008)所収)
- "Paul Foster Case: His Life and Works"(Fraternity of the Hidden Light,2013)
なお、Kybalionに関する事項など、以前の記事と内容が異なる点もある。これは、利用した資料の違いによる。
- 1884年。ニューヨークで出生。
- 1900年。オカルティストClaude Bragdonに会い、以後オカルトとヨガの研究始める。
- 1907年。ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンにコンタクトを取る。
- 1912年。Michael James Whitty(??-1920.12.27)らとKybalion出版(ヨガ出版)。著者にケースらを含めるのは、BOTAの系統の人々等の主張による。また同書の初版は、通常1908年とされる。詳細はケースの仕事参照のこと。
- 1915年。ニューヨークに住みながら、クロウリーの学生になり、O.T.O.でイニシエーションを受ける。その後、第三階梯まで昇り数年後離脱。一説にはA.O.のトート・ヘルメス・テンプルに参入する為ともいう。なお、本項はGreerの上記書籍の記述に基づく。
- 1916年。オカルト雑誌"The Word"でTarotのアトリビューションを発表。この記事を契機にウイッティらがケースに接触したとされる。一部伝説によれば同誌投稿記事をもってケースはA.O.等に接触せずに独自にGDのTarotのアトリビューションに到達していたとの説がある。しかし、クロウリーと接触していたとすれば、この伝説は虚偽であろう。また、アトリビューションについては、クロウリーが、エクイノックスで既に暴露済みであった。
- 1918年。前記Whittyが首領を勤めるニューヨークのトート・ヘルメス・テンプルにて薔薇十字団体A.O.参入。
- 1919年。The 32 Paths of Wisdom出版。Whittyとの共著とされる、1934年のThe Book of Tokensのアウトラインとも評される。
- 1920年。A.O.で小達人の位階に達する。同年Whitty死去、Praemonstrator就任。“Intoroduction to the Study of the Tarot”出版。“An Address to Neophytes”執筆。
- 1921年。トート・ヘルメス・テンプルに勉強会(the Hermetic Order of Atlantis)作る。
- 1922年。A.O.の首領であるモイナに一連の無許可の行動をとがめられ、強制退団させられる。The Life Power出版。
- 1923年。The Hermetic Order of Atlantis の大部分を引き抜いて、彼自身の組織The School of Ageless Wisdomを設立。当初は通信講座のみの団体であった。
- 1926年。フリーメーソン参入。なお、このころより通信講座のみであった上記SchoolにおいてChapter workを開始したとされる。
- 1927年。“A Brief Analysis of the Tarot”及び代表作の一つとなる“The True and Invisible Rosicurucian Order”(初版)出版。
- 1928年。“The True and Invisible Rosicurucian Order”(2版)出版。
- 1931年。“Correlation of Soud and Color”及び“The Highlights of Tarot”出版。
- 1932年。組織の本部をロサンジェルスに移転(ケースも移住)。“Esoteric Keys of Alchemy”出版。
- 1933年。“The True and Invisible Rosicurucian Order”(3版)出版。“Oracle of the Tarot: A Course on Tarot Divination”制作。
- 1934年。“The Book of Tokens”出版。
- 1935年。“The Great Seal of the United States”出版。
- 1936年。“Progressed Rotascope”発表。
- 1938年。The School of Ageless WisdomをBuilders of the Adytumに改名。“The Open Door”(入会案内書)出版。
- 1947年。“The Tarot: A Key to the Wisdom of the Ages”出版。これは、上記“A Brief Analysis of the Tarot”を改訂したものである。
- 1954年。メキシコで客死。
- 1981年。“The True and Invisible Rosicurucian Order”(4版)出版。1953年にCaseが改訂作業を行ったものとされる。
新ML2627初出(20031221)
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