ソロの問題(研究方法覚書その2)


 研究方法の問題の一つとして、ソロの問題があります。
 現在では邦書も多く、ネットでも多くの情報を収集できるから何処の組織にも属さず、どのような指導も受けずに「ソロで十分である」との主張があります。

 しかし事実の問題として、私は、そのような発言をする一定の実力がある方のほとんどが、現に国内外の何らかの団体に属し、或いはかつて属し指導を受けた経験がある、と承知しています。
 私は自ら実証したわけではない「ソロでも十分である」との主張を、グルジェフの著名な囚人の脱獄の喩えを引くまでもなく、まったく信用できないと思っています。

 もちろん、論理的には、ゼロからソロでも学習はできるでしょう。そして、積極的に洋書を学べば、情報量に於いて、団体の所属している者より、勝ることは容易であるでしょう。しかしそれでも、本格的に学ぶのならば、何らかの指導を初期に受け学習・研究方法のノウハウを吸収した者と比較した場合、たいへん厳しい道のりだと思います。

 私は本格的に学ぶならば、少なくとも初期においては何らかの信用できる団体のカリキュラムで訓練を受ける事を強くすすめます。その際、対面する必要のない通信教育ならば外れを引いても実害が少ないと思っています。

以上
(初出:02/06/03,新ML0023)


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作成者: TRK
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