W.B.イェイツを唄う紹介


1) W.B.イェイツを唄う

ヴァン・モリソン、ウォーターボーイズ他,
解説:茂木健訳,イェイツ解説:中林良雄,訳詩:中林孝雄、中林良雄,
発売:オーマガトキ,OMCX-1017.1997

(2) コメント

本CDはNow And In Time To Be: A Musical Celebration Of The Work Of W.B.Yeats. The Grapevine Label Ltd. 1997 の輸入版。日本語で詩の訳と簡単な解説がついています。私は古本屋で買いました(税抜き1,250円也)。
イェイツの詩に主にロック/ホップ畑の音楽家が参加して作られた。音楽のアルバムとしても、なかなか良い。3,4番などは聞いていいて心地よい。また、最初と終わりのアイルランド出身とベテラン映画俳優リチャード・ハリスの朗読も見事である。ハリスは「これだけの長さの詩を録音するのに、自ら納得がいくまで言葉の一つ一つの意味を考え抜き、何時間もかけ練習を繰り返したそうだ」。このような態度は、私たちも見習うべきであろう。
しかし、音楽的に素晴らしいことが当研究会で取り上げる理由にはならない。研究会が注目するべきのは13番「湖島イニスフリィ」であり、これが取り上げた理由である。イェイツ本人による朗読である。日本語解説から少し引用しながら解説してみよう。

この「イェイツの肉声。BBCでのレクチャーのために録音され、研究者の間では良く知らされている音源」で、BBCのレクチャーでイェイツが「マクラでわたしの詩の中で広く知られている唯一のものから始めよう」と歌ったものである。この台詞から他にも録音したように読めますが残念ながらここでは一つだけ収録されている。

解説者はイェイツの歌い方について「かなり明確にスローなリズムが保たれ、歌いかけるかのような抑揚がある…ゲール語による伝統的歌唱法、シャーン・ノスを思い出してしまう。」と描いている。しかし、私はリガルディーのGDテープのある部分を思い出した。良く似ている…いや、リガルディがイェイツの唱え方によくにていると言うべきだろう。
詩の朗読と式文や召喚文はヴァイブレーションの入れ方や力(プネウマ、ルアクあるいは単純に気合)のこめ方が違うので発声について一概に言えない。しかし、おそらく初期GDの達人たちの儀式での式文とくに召喚文や祈祷の唄い方は視覚化は、イェイツやリガルディの詩の唄い方と類似すると見て良いだろう。
このCDを参考にし、うじゅぱ老師のCGなどをみながらイェイツの声を視覚化し参入儀式を追体験するのも良いだろう。

The Grapevine Label Ltdの住所とWebsiteのUR等Lが裏に書いてあったので写しておく。興味がある方は参照して欲しい。
The Grapevine Label Ltd,
12 Oval Rd, London NW1 7DH
URL: http://www.grapevine_label.co.uk
多分_アンダーバーだと思う…(^_^;)

なお、長さは1分41秒ほどの短いものだが、流石に古い音源であるのでリガルディのテープよりは音質が悪い。しかし、私の聞いたクロウリーの音源よりは良いようだ(ネット上で聞けるは研究会のリンク集で見つかる、説明文に明記してあると思うので使ってもらいたい)。ただし、これらの音源はクロウリーもそして恐らく今回のイェイツも録音した時点で高齢である点に注意するべきと考える。 なお、下記のURLで、この音源の1分41秒のうちの44秒ほどを、聴くことができる。http://www.cdjournal.com/guide/4759B/4759B14E.html

(3) 目次

1. Richard Hrris - Under Ben Bulben (excerpt)
2. Shane MacGowan & Cafe Orchestra - An Irish Airman Foresees his Death
3. Kael Wallinger - Politics
4. Van Morrison - Before The World Was made
5. Mike Scott & Sharon Shannon - A Song Of The Rosy-Cross
6. Snead Lohan - The Fish
7. Tamalin - Gort na Sailean (Down by the Sally Gardens)
8. World Party - The Four Ages of Man
9. Christy Moore - The Song Of Wandering Aengus
10.Nervous - He wishes for the Cloths of Heaven
11.The Waterboys - The Stolen Child
12.The Cranberries - Yeat's Grave (featuring No Second Troy)
13.W.B.Yeats - The Lake Isle of Innisfree
14.Richard Harris - Under Ben Bulben (excerpt)

以上
(初出:02/02/22,No.982 )
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作成者: TRK
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